Crimson eyes


「黒の聖職者、リナリー・リーですね、貴女の身上を拘囚します。」


純白の使徒は地面に倒れた私を見下げて、穏やかに微笑する。


『不気味なぐらい透き通った瞳をしている』、それが彼に接触した時、初めに得た印象だった。


異国での敢戦で一人のノアと出会し、私は囚われの身になった。


アレンと呼ばれる少年。


華奢な体、灰褐色の肌、白銀の髪、真紅の眼、その外見は他のノアと大して違わない。


けれどノアが発したと思えない潔白な言葉のせいで、今迄見てきた彼等とは異なる感覚を私は受けていた。


千年伯爵が扇動するAKUMAの巣窟へ捕虜として連れられた私に、何故か彼だけは特別扱いをしてくれる。


それが単なる気紛れからなのか、愛情に近い感情からなのか、私に分かる余地はない。


「伯爵の玩具になるつもりなんて、更々ないんです。」


ここに虜囚されたばかりの頃、彼は私にそんな言葉を洩らしていた。


「僕からすれば黒の聖職者(エクソシスト)と人類最古の使徒(ノア)、どちらもどんな末路を辿ったって別に構わない。


 愚かで無意味な戦争に興味はありません、だって、血で血を洗う惨劇の先に見える希望なんて、高が知れてるでしょう?」


余裕、若しくは汎愛…?


その言葉を聞いた日から、私の彼に対する気持ちは好ましいものに、少しずつ少しずつ揺れ動いていった。

「貴女が居れば…世界がどうなったって好い…僕の手を…取ってくれませんか…?」


告げられた告白はきっと退屈凌ぎの遊戯(うそ)、だって、捕虜の私に言う台詞じゃないじゃない…。


だけどそれ以来、私の目は何時も彼の姿を追ってる、自分でも認めたくはないけど、彼に惹かれ始めてる。


選りに選って相手はノア、捕虜の身が解放された時、エクソシストの私は貴方と戦い交えなくてはいけない。


現実から逃げようとしても、決して動かし様のない真実、天変地異が起きたって、私と彼が表裏一体の運命なのは変わらない。


この想いが叶う事は、絶対に…。


激しい胸の痛みは何処から来るの…貴方と相対する時を予見しているから…―――?


†スイマセン、ノアレリナが書きたくなりまして…


禁断の恋って好いですねv