罪の意識
 
 



…何てことをしてしまったのだろう。


私は目の前で倒れている彼の姿を見て、恐怖に慄然とした。


まさかもうひとりの自分が…こんなことを…?


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彼を理解したいと思った、君の優しさに触れて、もっと君を知りたいと思った。


強くそう思うたびに、まともでない二重人格のような私が顔を出す。


愚かで醜悪な自分が、彼の傍にいられるわけないのに。


穢れない心、まっすぐ純粋な瞳に、出会ったときから私は惹かれていた。


…アレン君を好きになってしまった。


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ただ一緒にいられるだけでいい…


その想いは日ごと彼に会うたび、話をするたびに、大きく膨らんで…


二人で決めた『ルール』を破って、私はついにこの手で彼を、…そうとした。


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『いいかいリナリー、いつか大切なものができたとき、もし迷ってしまったら、それに近づいてはいけないよ』


かつて、亡きお父さまが言っていた言葉、その意味も分からず頷いていた私。


自らの行いが、良心の呵責、罪の意識となって…


自身に跳ね返ってきた、胸を抉るような心の痛み…


「…ごめんなさい…」


眠っている彼の傍らで、私はへなへなと座り込んだ。


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『…受ケ入レシ…


 …永逝ヲ示ス…


 …朋ヘ告グ…


 …痛苦共々ニ…


 …常シク救済ヘ…』


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もし普通に恋ができたのなら、どんなに素晴らしいだろう。


無価値で死にぞこないの私、やはり私は、彼に出会う前のあのとき、お父さまが残してくれたもので、命を終わらせるべきだった…


アレン君を好きになること、こんなに貴方を愛してしまうこと、それは、もっとも重い『罪過』になるのだから―――