Dependence and jealousy5
両目の視界がぼんやり霞む、胸の真ん中にぽっかり穴が空いたみたいだ。
もう…聞きたくない…。
これ以上ここに居たくない、二人の会話を聞いているのは辛い、リナリーに境界線を引かれた気がした。
頼まれた用向きなんて僕はすっかり忘れていた、そしてまるで二人から逃げる様にそこを立ち去る。
「リナリー、つーかさ〜、本当に頼りたい相手、オレじゃないっしょ?」
「…ほら、アレン君って他人の重荷まで全部背負っちゃうでしょ?
…だからこんな話をして余計な負担、掛けたくないの。」
「好き故に言えない、って事か。
…アレンは負担なんて思わないのにな。
何つーか、乙女心は複雑さ。」
そうした二人の会話が、僕の耳(もと)に届く筈もなくて…―――
†††
「居た居たっ、アレン君〜!!」
すっかり元気をなくしてホール付近を歩いていると、先の廊下にコムイさんが居た。
「いやぁ、幾ら待っても来ないから(妹が)何だか心配でさ〜、リナリー何処にも居ない?」
「…」
誰とも喋りたくない、今は一人になりたい、僕を放っといて欲しい。
「あれ、アレン君?」
「知りません。」
それだけを短く言い残して、コムイさんの傍から離れる。
「何を怒ってるんだ?アレン君…。」
そのまま自室に戻った僕は、冷えたベッドに身を投げた。
「はぁ…」
何だか頭がもやもやする。
リナリーがラビの部屋で一夜を明かした事、思う以上に二人が親密な関係だった事。
一晩一緒に居たからって、ラビとの間にどうこうあった訳じゃないと思う。
彼女の性格からしてそれは考えられない、第一僕が気にしてるのはそんな事じゃない、気掛りだったのは…。
『こんな事話せるのラビだけだから』
君が僕を全く頼ってくれない事だ…。
あの言葉が頭に焼き付いて、妙に気持ちがそわそわして、焦りとも苛立ちとも付かない感情が心を塗り潰していく。
これは嫉妬なんだろうか?
だとしたら、彼女に頼られたラビに?
これは幻滅なんだろうか?
だとしたら、彼女の苦悩を気付けなかった自分に?
リナリーに取って僕は何なんだろう、その心に何処迄踏み込めば好い。
頼れる男でいたいなんて…僕は馬鹿か…リナリーがそれを望んでないのに…。
君の目線(め)に映る僕は、どんな姿だったんだろう。
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