Dependence and jealousy6


窓から黄昏色の夕陽が差し込む、気付けばもう日の暮れる頃だった。


あれからずっと考えてる。


『恋人』って何だ…?


お互いを尊重して、助け励まし合う、どんな苦悩だって一緒に分かち合う、固い絆で繋がった特別な存在。


そうじゃないのか…?


†††


トントントン―――


僕がそうしていると、控え目なノックの後、聞き馴れたあの声が聞こえた。


「アレン君、居る?」


リナリーだ、今は…会いたくない。


ひとたびその姿を見れば、きっと僕は余計な詮索をする。


大きく深呼吸をついて、もやもやする霧を取り払った。


「ど、どうしたの?リナリー。」〈何事もなかったように振る舞うんだ〉


扉越しに彼女の用を尋ねる。


「…たった今、ホールで兄さんに会ったわ。


 明日の早朝、アレン君と私でイノセンス回収に墨西哥(メキシコ)へ向かう、この次の任務よ。


 夕食を済ましたら司令室に来るよう伝えてくれって、言われたから…。」


「そ、そうですか、じゃあ、後で。」


僕は少ない口数で、この会話を簡素に終わらせようとした。


「ねぇ、ちょっと入っても良い?」

・
・
・
「―――と云う訳なの。


 目的地点はカンペチェ州、エズナ遺跡で起きている奇怪現象の原因を突き止めるのが、私達の任務。


 事細かな詳細は、後で兄さんがまた話してくれると思うわ。」


…結局リナリーを部屋へ迎え入れてしまった、あらましの要点を述べる彼女から視線を外し、床を一点に見つめる事で絡み付く意識を逸らす。


何だか気分が落ち着かない、リナリーに直接確かめたい、色んな疑問が駆け巡る。


…駄目だ、今は彼女の話だけに集中しろ。


「アレン君、ちゃんと聞いてる!?」


「あ、はい…。」


ゆらゆら漂う僕の態度に見兼ねた彼女は、呆れ顔をして、小さな溜息を溢した。


「さっきから気になるんだけど、どうして目を合わせてくれないの?」


「…え?」


そのまま彼女の手が伸びてきた、僕の頬に両手で触れ、そっと綺麗な顔を近寄せる。


「兄さん心配してたわ、アレン君元気ないって…。


 何か遭った…?一人で悩むのはなしよ…?


 どんな事も私にだけは話してね…。」


『どんな事も話して』


その台詞をそっくり彼女に返したい、今だってそうだ。


君は僕の傍に来たって…何一つ話してくれないじゃないか。


胸いっぱいに込み上げる不快感、不安な気持ちは苛立ちに変わって、心が荒(すさ)んでいく…―――

ドンッ―――


「ア…アレン君?」


石壁に手を添えて彼女にきつく迫った。


「…そう言うのなら、どうして君は夕べ、ラビの部屋に行ったんです?


 何故、心の病(トラウマ)を僕に隠したりなんか…。」


…恋人同士だから全部を曝け出して欲しい…君もそう思ってくれてるのなら…何で…―――