Missing


手を伸ばしても届かない理想郷…


祈り捧げても叶わぬ夢幻…


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人類の願望機、聖杯と呼ばれる聖遺物、その真実(なかみ)を知り尽くした私に残された感情は、失意と絶望、唯『それのみ』だった。


私の身体は、彼自らの手で『純潔の青碧』から『嗜欲の黒赤』に、染め上げられて行く。


「…決シテ、逃ガサヌゾ…」


何度も耳許で囁かれる呪縛(ことば)。


心臓に鉄杭を打たれた様な衝撃が、全身を突き抜けた。


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思考がぐらぐら揺れて、情感はじんわり麻痺している。


けれど不思議と、寂しさは感じない。


何故なら私は…。


私は…―――?


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この異域、時空を超越した深淵で、私が彼と巡り出逢った全てに、その意味は存在する。


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だって憎くて恋しい彼が、こんなに傍に居てくれる…


最愛なる貴方だけが、運命に背き大罪に陥った私を赦し、こうしてずっと愛してくれるのだから…―――



†ギルに洗脳されたオルタ侵食気味っぽい?セイバーを描いてみたかったので…;