Heirat


〜キミのトナリ〜


心が引き締まるように凛と澄んだ、濁り気のない空気のなか、僕とトーカちゃんは二人でいる。


それはまるで神々しく、目が眩むほどきらきらしている清らかな夢のようだ…。


君は少しふくれっ面をしているけれど、その何もかもが全部、僕にはいとおしい。


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自分のことなんて、どうでもいい、どうなっても構わない。


たとえ捨て駒っても。


僕が犠牲になることで、みんなが、この世界が救われるなら…。


なんて、独断的な英雄(正義のヒーロー)気取りだった僕。


間違った世界をとにかく僕が変えるんだと躍起になって、独り突き進んでいた僕。


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でも僕は気づいた、ようやく分かったんだ。


君が僕を一糸も纏わない姿、裸で抱き締めてくれたあの夜。


柔らかな慈しみと愛情を感じた、君の温かい体温と脈打つ鼓動を感じた、トーカちゃん自身を感じ取れた。


僕は君に優しく包まれた…。


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愛し愛されるって、こういう穏やかな気持ちなんだと。


必要とされるって、こんなにも嬉しいことなんだと。


それから僕は、やっと見つけた。


やっと生きる意味を見い出せた、この手で君を掴まえることができた。


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『この世界は間違ってなんかいない、いつだって在りのままの形容(かたち)をしている』


それを教えてくれたのは、トーカちゃん、君の存在なんだ。


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不規則に絡まった糸は解かれた、僕は世界の生命線、その中心軸(なか)を見た…。


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「ちょっと、カネキっ…


 結婚式(あれ)はもう、一度やったじゃんかっ…」


「いいの、いいの、今度はウェディングドレス姿が見たいから。


 それにトーカちゃんとなら、僕は何度だって結婚式を挙げたいって思うんだ。」


「…カネキさあ、たまにこう、妙に強引なとこ、あるよね…。


 …まあ、そういうとこ含めて…(好きになったんだけど…)ぼそぼそ…」


「…えっ、何か言った?」


「…何でもない…、(絶対に確信犯だこれ)…」


「…それじゃあ…。」



僕は美しく清純な装いの、華やかなトーカちゃんをひょいと抱き上げる。


「…なっ…!(お、お姫様抱っこ!?)


 …あ、ちょ、もう降ろせ〜…っ!!」


「うん、照れてるトーカちゃんも、すっごく可愛いなあ…。」


「…そういうのも…、やめっ、恥ずいからっ…!!」


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辿り着いた僕の確答(こたえ)は、トーカちゃん、君が僕の隣で笑っていてくれること…。


何度季節が移り変わって、永い時を向かえても、僕らはずっと一緒にいよう…。


大好きなトーカちゃんと、この広い世界の片隅で、いつも笑顔で過ごしていたい…。


僕らに残酷な終わりはやって来ない、想い描いた希望、鮮やかな光に満ち溢れた未来を二人で…。


この素敵な世界に、愛しい君に祝福を…―――


†花嫁衣裳、如何してもトーカちゃんに着せたかったんです…;